〜すてきなパー子〜
◆ パーマンはラブコメだ!
今回、文庫本を読んで、「あれ?そんな設定あったっけ?」と思ったこと。
パー子がミツ夫に恋してる。
コレですよ、コレ!昔からパーマン見てたけど、この辺の設定については全く気づきません でした(鈍)。でもこの設定があると、パーマンがグッとおもしろくなる。 今回、文庫本を読んで、ここまでパーマンに再熱したのもこの辺が理由だったり(^^ゞ
パー子といえば、星野スミレのときは優しくて可愛いんだけど、いったん パーマンマスクを被ると人格が変わり、いつも1号と喧嘩ばかりしているオテンバ娘。 星野スミレのときとパー子のときとで、性格のギャップが激しい。そこが おもしろいキャラだな…とね、その程度の認識でした、今までは。
しかし、しかしだ、今改めて原作(特に新作部分)を読むと、たしかに上記の性格は
その通りなんだけど、それに加えて、パー子はミツ夫が好きってことになってるんです。
テレビのインタビューでもそう答えてましたし(文庫本5巻、「パー子のすきな人」より)、
これが同人的深読みでないことは明らかです!もぉ〜、ビックリ!でもパー子の場合は、
「ミツ夫がミっちゃんを好き」とか「のび太がしずかちゃんを好き」みたいな、いかにもな
描かれ方をしてるのではありません。「密かに恋心を抱いているが、素直になれない」という
感じで、なんだかとってもいじらしい!いや、たしかに、こういうパターンは巷に
腐るほどあるでしょう(アカネ→乱馬とか、灰原→コナンとか)。でも、パーマンの場合は
設定が少し特殊で、それゆえ、めちゃくちゃおもしろいんです。
そういう視点でパーマンを読むと、また違った面が見えてきます。
◆ パーマン・恋の相関図
というわけで、まずはパーマンの人物相関図を書いてみます。といってもこれがまた複雑で(^^;
どういうふうに書けばいいのかずいぶん考えこんだのですが、むりやり書くと、こんな感じに
なりました。アニメ版では更に、パーヤンがミっちゃんを好きだったり、
コピーのミツ夫がユキちゃんを好きだったりもするのですが、あまりよく覚えてないので、
ここでは原作限定で話を進めます。
ややこしいですかね(^^;。っとまず、ミツ夫はミっちゃんが好き。でも、ミツ夫のときには
相手にされない。しかし、パーマンになると、ミっちゃんからはモテモテになる。でも、パーマンの
正体は明かせない・・・。ここがヒーローのジレンマってやつでして、バケル君におけるカワル君、
クリィミーマミの優ちゃん、ガンバルガーの皆さん、コナン君…はちょっと違うかな^^;
まぁとにかく、「ヒーローは正体がバレてはいけない」の鉄則で、ヒーローの皆様はこれに
悩まされます。
この辺はまぁよくあるパターンですのでさておき、問題はパー子。 パー子さん、正体は星野スミレというアイドルでして、周りからは常にチヤホヤされています。 アイドルという点では、クリィミーマミ氏と共通するのですが、決定的に違うところがあります。 そう、マミは「普通の女の子」が変身してアイドルになるのに対し、星野スミレは元々がアイドル。 元々が「普通の女の子」ではないのです。 じゃあ、パーマンに変身すると、更に「普通でない女の子」になるのかと思いきや、逆に、 星野スミレであることが分からなくなることで、パーマン仲間の内では「普通の女の子」に なるわけです。ここ、ポイントね。普段は「星野スミレ」というアイドルの虚像を演じて いるのが、マスクを被ることで本来の自分に戻れるわけ。だから、「マスクを被るとオテンバ になる」ってのも、昔は単に、パーマンに変身するとパワーアップするし、性格も豹変するん だろうな、なんて思ってたけど、そうではない。厳密に言えば「本来の自分に戻る」という感じですね。 なんかこの辺、ネット上では性格が変わるネットワーカーと似てるような気もしますが。
まぁ、それだけなら問題はないんだけど、そんなパー子がミツ夫に恋をするわけだ。 理由は明言されてませんが、文庫本4巻「パー子の秘密」より、「のびのびできるのは パーマン仲間といるときだけ」というセリフから、自分をアイドルとして特別扱い しないところに好意を寄せたのではないかと推測。 ミツ夫はというと、ミっちゃんが好きという大前提はあるものの、「アイドルのファン」として 星野スミレが大好き。でも、オテンバパー子(=素の星野スミレ)には全く気がない・・・。 だったら、パー子はさっさとミツ夫に正体をばらせば両思いになるのではないかと 思われますが、パー子は「アイドルのファン」として好かれたいのではないから、 それはできない。それに、「パー子=スミレ」だと知ったら、スミレに幻滅して スミレまで好かれなくなる可能性も有り(ビデオ6巻「パー子のモーレツピアノ」より)。 だから、パー子の正体はパーマン仲間にさえバラせないのです。この辺がパー子の葛藤部分でして、 先ほどのミツ夫のパターンが少し形を変えて、パー子にもあてはまっています。 図で整理するとこんな感じです。
| 好かれる | 好かれない | 恋の対象 |
|---|---|---|
| パーマン[偽りの自分] | ミツ夫[本当の自分] | ミチ子 |
| スミレ[偽りの自分] | パー子[本当の自分] | ミツ夫(パーマン) |
ミツ夫のパターン(=往来のヒーローのパターン)と違うところは、ヒーローに変身したときの方が 好かれないで、正体の方が人気者で好かれているところ。それと、ヒーローの姿のときが 本当の自分で、正体のスミレのときが偽りの自分であるところです。 そして、そんな「偽りの自分」に惚れてるミツ夫に対して、「あんなのたいしたことないわ よ(文庫本5巻P123)」などと嫉妬したりするんですね。もちろんミっちゃんにも。
この辺のパー子の微妙な乙女心やら嫉妬心が、ストーリー内でチラチラと顔を覗かせるのです。
これはもう最高です!(爆)。
たしかにあまり「ラブコメ!」ってのは前面には出てきません。
やはり、学年誌に掲載される「藤子漫画」であり、メインは
悪者をやっつけるヒーローの話ですからね。ラブコメ部分についてはあくまでも
「さりげなく」描かれてるわけです。
まぁ、この辺について深く追求した話を描くと、それはそれで
物語のバランスが崩れてしまいますからね(^^;。
それゆえ、パーマンにおけるこのラブコメ的な部分に
気づかれず、「パーマン=ラブコメ」という真の姿は、
あまり一般には浸透してないようで惜しいなぁと思います。
しかし、パーマンの真髄はラブコメに有り。
この辺を知った上でパーマンを読むと、もっとおもしろく感じられること間違いなしです。
一見、「悪者をやっつける変身ヒーローもの」だと思わせながら、実は
ヒーローと現実との二面性に苦悩する少年の姿有り、コピーロボットの哀愁有りの、
複雑怪奇なラブコメディーだった。・・・これが、今回文庫本「パーマン」を読んでの
感想です。
◆ パーマンとパー子、その後
原作では結局、パー子はミツ夫に告白することなく、ミツ夫自身もパー子に好かれてる という自覚なしで最終回を迎えます。じゃあパー子の恋はどうなるの?気になるではないか! というわけで、『ドラえもん』に出てくる後日談を紹介。
これはもう大変有名な話ですが、『ドラえもん』19巻「影とりプロジェクター」と、 24巻「めだちライトで人気者」に大人になったスミレが登場します。 そこでは、遠い遠い国にいる好きな人(=パーマン最終回で、バード星に旅立ったミツ夫)を 待ち続け、「いちばんだいじな物」として、ミツ夫の顔写真の入ったロケットペンダントを 持っている「その後のスミレ」が描かれており、なかなか切ない話となっています。
これらの掲載された年を整理すると、以下のようになります。
| 旧作パーマン連載期間 | 昭和41〜43年 |
| 「帰ってきたパーマン」掲載 | 昭和43年の最終回掲載の2ヶ月後 |
| ドラえもん「影とりプロジェクター」掲載 | 昭和55年 |
| ドラえもん「めだちライトで人気者」掲載 | 昭和55年 |
| 新作パーマン連載開始 | 昭和58年〜 |
パーマンとパー子は小学5年生…11才という設定だから、12年たってドラえもん 登場時には23才?大人の姿で登場するのも納得できるというものです。そして、 この時点でまだミツ夫は帰ってきておらず、スミレはずっと待ち続けていた・・・ うぉ〜〜、泣けるではないか!(ToT)
ちなみに、私が初めてこのドラえもんの話を読んだのは、シンエイ版パーマンが放送されてた 頃。その頃は、ここに出てくる星野スミレが、パーマンの星野スミレとは思えなくて、 同姓同名の別人だと思ってたんですよね。何故かって?テレビでやってるパーマンでは スミレはまだ子供だし、ミツ夫だって遠い国になんて行ってないし(パーマン最終回が存在するのを 知らなかった)。それにこの大人のスミレ、顔が違いすぎました。今思えば、旧作パーマンの スミレが大きくなった感じの顔ですが。でも、今回文庫本を読んで、やっとこの辺の 事情がわかりました。この話、ドラえもんでアニメ化されたようだけど、そのときの スミレの声優は誰だったんでしょうね?増山さんだったらいいのにねぇ(不二子声?)
さて、このまま年を取り続けてるとしたら、平成15年現在、46才のスミレさん。
ミツ夫とスミレはどうなったのか?恋は成就したのか?F先生亡き今、それは神のみぞ知る・・・。
ってか、ブービーなど生きてるのか怪しい(爆)